麺の材料と種類について
今回は麺類の選び方について考えていきましょう。さまざまな麺類がありますが、共通しているのはほとんどの麺類は小麦粉を使うということです。米粉やそば粉や葛粉など他にもたくさん粉は存在しますが、ほとんどの麺は小麦粉を使うのです。なぜでしょうか。小麦粉には麺になるためのある大事な成分が多く含まれているからです。グルテンというタンパク質です。グルテンはチューインガムのように弾力が強く、また粘着性があるため伸びやすい特徴があります。こねるほどにグルテンが生まれてくるので小麦粉は麺に向くのである。ですから、うどんもラーメンも焼きそばもみんな小麦粉である。
ところで麺の原材料は何でしょうか。答えは、小麦粉・食塩です。それでは、なぜ食塩を加えてあるのでしょうか。そうです、これもグルテンをより引き出すためです。食塩を混ぜてこねると、さらにグルテンが出てきます。ですからほとんどの麺類に食塩が添加されているのです。
次にこねた小麦粉をどのような方法で製造するかによって、麺の種類が変わります。製法は主に以下の4種類があります。
刀削法
撚延法
押出法
切出法
刀削法は中華料理に見られるような特殊な麺で、沸騰した鍋の前に立ち、こねた小麦粉の塊を片手に持って小刀で削って入れていくスタイルです。これが刀削麺です。次に撚延法ですが、字の如くひねって伸ばす方法です。要するに、手延べ麺になります。主にうどんとそうめんがあります。うどんは稲庭うどん、氷見うどんが有名です。そうめんは三輪そうめん、半田めん、揖保乃糸、小豆島そうめん、島原そうめんが有名です。それから白石温麺もです。そして押出法は字の如く高圧で押し出す麺のことです。圧力で押しつぶしているわけですから硬めの麺ですね。マカロニ、ビーフン、冷麺などです。主に海外の麺に多いです。ただ日本でも少ないですが、存在します。岩手県盛岡の盛岡冷麺です。もう一つは長崎県島原地方の六兵衛です。六兵衛の麺はなんとさつまいもを使うんです。大変珍しいですね。最後に切出法ですが、前にあげた三つの方法以外はほとんどが切出法と思って間違いないでしょう。切出法とは字のごとく主に包丁などで細かく切ることです。切る太さによって麺の名前が変わります。ところで寸という単位を知っていますか。一寸は何センチでしょうか。一寸法師の長さです。と言われてもよく分からないかと思いますが、答えは3.03㌢です。約3㌢ですが、これを3等分にしたらほうとうになります。約1㌢です。余談ですが、ほうとうは山梨県で有名ですが本来は小麦粉だけで食塩は使用しませんでした。なぜかというと、ほうとうはもともと戦時食だったからです。そのため、調理に時間をかけれません。ですから、かぼちゃや白菜などさまざまな野菜とほうとうを入れて、味噌で味つけしすぐに出来上がります。そこで、もし麺に食塩が入っていたら、一度茹でて別に汁を作らなくてはいけません。そんな時間は無いのです。ですから食塩は使いません。しかしながらここで問題があります。食塩がないということは、先ほど書いたグルテンがあまり出てきません。そうなると、繋がりにくくなり麺ができにくくなります。ですからほうとうはあのような太さになったのです。
次に8〜10等分にすると、何の麺になるでしょうか。うどんです。
そして、12〜18等分にするとひやむぎになり、24〜26等分にするとそうめんになります。
麺の選び方について
それでは、次から麺の具体的な選び方について書いていきます。ポイントは以下の3点になります。
①原材料の小麦粉の産地を確認すること できれば栽培方法(自然栽培・有機栽培・特別栽培など)まで分かればベスト
②麺の状態をしっかり考える 基本的に乾麺でいいかと思うが、生麺やゆで麺や冷凍麺などの他の状態の麺が欲しければ質の良いものをしっかりと考えて選ぶ
③ラーメンや焼きそばの場合は質の良いかんすいを選ぶ
まず①ですが、小麦の食料自給率は約12%です。ということは、日本の小麦製品の9割近くが海外のものになります。オーストラリアやカナダ、アメリカ、中国などです。海外からのものは距離が遠く時間がかかるために品質が劣化するため、それを防ぐためにたくさんの薬が使われます。したがって国産小麦使用、国産小麦100%使用というものを選んでください。さらに、北海道産小麦使用のように都道府県までわかれば尚良い。いつも書いてますが、国産小麦という表示がなければほぼ間違いなく海外のものです。
◯ 国産小麦という表示がある
次に②ですが、やはり乾麺を選んでおきたいところです。ほとんど添加物が使われておりません。乾燥しているということはそれだけ保存性が高いということです。乾物系や真空パックが傷みにくいのはそのためです。しかしながら、水分を含んでくると食べものは傷みやすくなります。湿気が多い所はカビが多いですよね。同じです。ですから、生麺やゆで麺になると傷まないように薬が使われることがあります。酸味料やpH調整剤や酒精、なかにはプロピレングリコール(乳化剤)といったものも使われます。(プロピレングリコールについては餃子のところを参照してください)またゆで麺や冷凍麺になると、一度調理しているために味や栄養も抜けてしまっており、それを補うためにでんぷんを使用するものが多々あります。出来立ての麺というのはコシ(中心部が硬くて歯切れの良いこと)がありますが、ゆで麺や冷凍麺になると味がぼやけてしまいます。そこで小麦粉の味をカバーするためにでんぷんが使われるのです。デンプンはもちもちネバネバ甘いです。ですから麺に加えると大変美味しくなったような錯覚をします。しかしながら、これは本来のコシではないのです。したがって、裏の原材料を見てデンプンとか加工デンプンと書いてあるものはそうと思ってください。加工デンプンはデンプンと書いてますが、薬と思ってください。しかも一括表示のため、1つではなくて複数になります。ですから、もし質の良い生麺やゆで麺や冷凍麺(食品添加物が少ないものを)が無ければ、小麦粉・食塩とだけ書いた乾麺を購入してください。特に最近では、さらに加工が進んだ麺(茹でずに水で洗うだけで完成)が出ており注意が必要です。食品添加物がかなり多くなっています。時間がない時などだけ利用しましょう。
最後に③ですが、そうめんやうどんの麺とラーメンや焼きそばの麺は明らかに違いますよね。同じ小麦粉から出来てるのに、なぜ色や食感や味がこれほどまでに違うんでしょうか。実は仕込み水が違うのです。これを一般的にはかんすいと言います。かんすいはpHが11以上という強アルカリ水です。この特殊な水で小麦粉を練ると、実はラーメンや焼きそばのような麺になるのです。
しかしながら、日本の水は中性です。ということで、日本でいくら小麦を練ってもそうめんやうどんになってしまいます。ところで、ラーメンはいつ頃日本にやってきたのかわかりますか。いつ頃一般の国民が食べるようになったのでしょうか。実は戦後からです。そのきっかけになった事件が昭和6年の満州事変です。小学校・中学校の歴史で習ったかと思います。当時は日本と中国で戦争中でした。日中戦争のきっかけになった事件ですが、簡単に言うと日本の関東軍が南満州鉄道を爆破し中国を侵略し勝手に満州国を作ったという歴史です。満州国を日本が作ったということで日本の多くの国民が満州に移り住みました。特に地方の農家の次男三男が大変貧しいため、移住していったといわれてます。満州国というのはかなり大きな国です。しかもほとんどが日本の北海道よりも北にあり大変寒い地域で、しかもなかなか日本ほど雨が降らないということで稲を持っていっても米を作ることができないので、小麦を栽培しました。そこで満州へ移り住んだ日本人がうどんを作ろうと思って小麦を練るとラーメンのようなものが出来上がったのです。何度やってもうどんが作れないそうです。実は満州地域は日本とは水が違うのです。もともと満州の山の方やモンゴル地区は大昔海であったため、強アルカリ水なのです。つまり天然かんすいなのですね。ですからラーメンになる。そこで日本が戦争で負けて引き揚げた時に当時食べたラーメンを食べたいと思い、日本でラーメンを作ろうと思ったら水が違うためにラーメンはできないのです。そこで、この強アルカリ水を人工的に作ろうというわけです。本来はモンゴル近辺からの天然かんすいを持ってきたいところですが、さすがに難しいですからそこで使われるのが食品添加物です。主に2種類あり、炭酸系とリン酸系です。なかには外食などで苛性ソーダを使ってるものもあるそうです。特にリン酸系は腎臓や骨に影響がモロに出るので注意が必要です。ですから一番良いのが天然かんすいを使っているもの。見つかなければ、無かんすいか、代わりに卵殻や貝殻などでアルカリ水を作ってるものを買ってください。まとめ
①原材料の小麦粉の産地が国産(できれば都道府県までわかるもの)であることを確認すること。可能ならば自然栽培か有機栽培か特別栽培と表示してあるものを購入すること。
②麺の状態は基本的に乾麺が良い。基本的には小麦粉と食塩のみのものを選ぶこと。生麺やゆで麺は添加物(酸味料、pH調整剤、酒精、プロピレングリコール(乳化剤)など)がないものを選ぶ。また、生麺やゆで麺や冷凍麺などはデンプンなど小麦粉以外のものがなるべく入ってないものを探す。特に最近では、水で洗うだけで完成する麺があり注意がいる。
③ラーメンや焼きそばの場合は質の良いかんすいを選ぶ。天然かんすいと書いてあるか無かんすいかかんすいの代わりに卵殻や貝殻で代用しているものを探す。