2021年10月25日月曜日

【副菜】海藻

海藻を色で分類してみよう 

 今回は海藻について書いていきたいと思います。海藻を色で分類してみましょう。主に3色あります。

紅藻

緑藻 

褐藻

まず大変珍しいのですが、これら以外に藍藻があります。藍色の海藻です。熊本県の水前寺公園にあり、水前寺海苔と言います。機会があったら探してみてください。

次に紅藻ですが、赤い海藻は何があると思いますか。海苔です。海苔は分類上、赤い海藻になります。そして天草です。天草を使ってところてんを作りますね。ところで、ところてんはどのような漢字を書くのでしょうか。正解は心太です。なぜこんな字を書くのでしょうか。不思議に思いませんでしたか。心が太い??特に、なぜ心かがよくわかりません。実は煮凝る太い海藻からきています。例えば、真鯛やカレイなど(ゼラチン質の多い魚や肉など)を煮込んで冷やすと、煮汁がゼリー状に固まります。まさにコラーゲンの塊です。同じく天草も煮汁が冷えると固体化します。これを煮凝るといいますね。ですから煮凝る太い海藻から、煮るが取れて凝るが残り、凝る(こごる)→こころ→心になったのです。余談でした。

そして次は緑藻です。まず食用ではありませんが、北海道阿寒湖と言えばわかりますか。特別天然記念物に指定されています。マリモです。それから食用といえば、あおさです。

そしてあおさの仲間の青のりです。あおさは比較的お求めやすいですが、青のりはピンからキリです。特にスジアオノリは高級です。なかでも高知県の四万十川は有名です。あおさと青のりとは別ものですが、ヒトエグサというものがあります。ヒトエグサは、大変風味がよいので海苔の佃煮に使われます。本来、海苔の佃煮は風味が良いヒトエグサを使用します。ただ最近では一般的な海苔を使います。風味が弱く、しかも加工用なので良質な海苔は使われない傾向があります。ところでヒトエグサの佃煮と海苔の佃煮は、先ほど書きましたように緑藻と紅藻なので色が違います。したがって、天日に干して乾かすと若干色が違うことに気づくかもしれません。ですからもし専門店に行ったら、表示を見てたまにはヒトエグサで作った佃煮を購入してみてください。


最後に褐藻ですが、今書いてきた海藻以外はほとんどが褐藻と思ってください。例えば海苔、昆布、わかめ、めかぶ、もずく、ひじきです。


海苔は注意が必要 しっかり選ぼう

まずは、海苔です。過去に何度も書いていますが、はじめに産地を確認しましょう。基本的にメーカーは国産を使いながら、表示を忘れるということはないのです。ですから裏を返せば、何も書いてなければ外国産(韓国や中国など)と思って間違いないでしょう。したがって国産、できるだけ佐賀県(有明海など)や宮城県など具体的に書いてあるものを探してください。




次に、海苔の最大の問題である薬についてです。

海苔には農薬の問題があります。正確には酸処理という問題です。海藻なのに薬を使うのっていう疑問が沸くかもしれません。ところで海苔というのはほとんどが養殖しますが、実はこの問題と関係しています。養殖法は主に2種類あります。

支柱式

浮き流し式

埋め立てなどで遠浅の海が少なくなってきている現代は、浮き流し式が増えつつあります。しかし、昔ながらの伝統的な養殖方法は支柱式なのです。具体的には、遠浅の海に支柱を立て網を張り干満の差を利用して作られます。こうすることで海苔は水中に入ってる時間と出ている時間ができます。


結果、次の3つの長所があります

①見た目が良くなる

水中に浸かりっぱなしだと違う海藻、特に青のりなどがくっついてくる。青のりは緑藻のため、紅藻である海苔とは色が違う。青のりは水中の中では生きられるが、地上に出ると死んでしまう。ただ海苔は大丈夫です。ですから支柱式にすることで、混ざりけのない純粋な海苔ができる

②病気の予防ができる

定期的に外に出ることで日光を浴びるため、海苔の病気を防げる

③味や風味が良くなる

②と同じく日光に当たると味や風味が良くなる 


しかしながら、先程書いたように現代は海の開拓が進んで遠浅の海がかなり減ってきています。そうすると、水深が深いため支柱を立てることができない。また、支柱式では海苔の生産量が減る。なぜならば、海苔は水中に浸かってる時間に成長する。裏を返せば、水中に浸かっていない時間は成長しないということは、支柱式だと生産量が従来の半分以下になってしまう。そこで登場したのが浮き流し式である。字の通り浮きをつける養殖方法である。浮きというのは何でしたっけ。そうです、浮くんです。海の干満に関係なく24時間ずっと水中に浸かっています。つまり、生産量が多く早くなります。しかしながら問題もあります。先ほど書いた3つです。すなわち、見た目が悪くなって病気がちになって味や風味が落ちるのです。そこで行われるのが酸処理です。本当は酸消毒というのです。消毒ですから薬です。野菜・果物でいう農薬です。小さいプールを乗っけたボートで行われます。そのプールの中に消毒液が入ってます。主に有機弱酸でクエン酸やリンゴ酸などです。ただ実際は無機強酸を使用するところもあるのです。殺菌することで①②のように青のりは殺菌され死滅し、海苔の病気も予防できます。ただ③の味や風味が悪くなることと安全性に対する問題が出てきます。したがって、酸処理してないということがパッケージや説明に書いてなければ、裏を返せばほぼしてると思って間違いないでしょう。酸消毒をしないのに書かないメーカーはないからです。

◯ 酸処理をしていない良質な焼き海苔


ただ最近は浮き流し式ではなくて、支柱式でも酸処理をしているところもあります。要するに、網の高さを低くして浮き流し式と同じように長期間海水に浸かることで海苔の成長スピードを促すという方法です。ただ例外的に酸処理をしていないものもあります。初摘み・一番摘みと書いてあるものです。スーパーでも比較的簡単に見つかることがあるかと思います。

◯ 初摘みと表示があれば薬を使っていないか少ない


◯ 一番摘みも同様で薬を使っていないか少ない


一番初めに海苔を摘み始める11月から12月は大変寒いため、青のりと入った違う海藻が付着することはない。違う海藻、青のりは暖かくなった頃につき始めるからです。

まとめ

①海苔のパッケージに国産(できれば都道府県)や海(有明海など)の名前が書いてあるものを選ぶこと

②海苔を買う時は酸処理していないと表示してあるものを買う

③酸処理していないという表示がない場合で支柱式で合っても、初摘みもしくは一番摘みと書いてあったら酸処理をしていない可能性が高い


昆布の出汁は超貴重 良質なものを選ぼう

 今回のテーマは昆布です。昆布は歴史があり日本の文化とも密接に関係あります。したがって、大変重要な食材になります。昆布は大きく分けて二つあります。出汁用昆布と食用昆布です。どちらかの見分け方ですが、簡単です。出汁用昆布と書いていなかったら食用昆布と考えてほぼ間違いないでしょう。なぜでしょうか。なぜならば、出汁用昆布の方が値段が高いため、出汁用昆布を使いながら出汁用昆布と書かないメーカーは少ないからです。それではなぜ高価なのか。味が良いからです。出汁が取れるということは、昆布の味、つまり旨味であるアミノ酸が昆布自体にしっかりとないといけません。ごまかしがきかないのです。ですから、昆布の質が良くて味が良いため値段が高くなる傾向があるのです。それでは出汁用昆布とは何か。以下の4つになります。羅臼昆布、利尻昆布、道南真昆布、日高昆布です。値段もピンキリですが、概して羅臼昆布、利尻昆布が高めになります。

ここで昆布の歴史を考えていきます。昔から各地域の高級食材を京都の朝廷や将軍家に献上してきました。例えば、福島県は米で献上米と言われていました。北海道では昆布なのです。

北前船という船で日本海側から通り富山県でまず昆布を降ろします。ですから富山県は今でも昆布の消費量がトップクラスなのです。昆布がほとんど採れないにも関わらずです。ここでさまざまな昆布が降ろされますが、なかでも羅臼昆布です。色がついて濃い出汁が取れます。大変美味しい味なので、質の高い羅臼昆布は京都の朝廷に持って行きます。

次に船は日本海側をずっと通って九州に入ります。福岡県です。ここで食用昆布の代表である長昆布が降ろされます。長昆布は薩摩藩に入り琉球藩に入ります。不思議なのですが、今でも沖縄県は昆布の消費量がトップクラスです。昆布をほとんど生産してるのは北海道ですが、最も消費している都道府県の一つが昆布が全くない北海道とは正反対の沖縄県なのです。そして瀬戸内海に入ってて大阪湾に着きます。大阪の辺りで利尻昆布が降ろされ、近隣には道南真昆布が降ろされます。


利尻昆布の特徴は、羅臼昆布の正反対で色がつかずさっぱりとした綺麗な出汁が取れます。ですから、千枚漬けなどの色がつかない漬物などには利用されます。そして、味・色が上品な利尻昆布をベースに薄口醤油を加えて関西風のあの出汁が生まれたのです。同じく道南真昆布も静かな出汁で味が良いのです。その結果、ひとつだけ余った昆布があります。そうです、日高昆布です。ここで出汁文化が進んでいない、なおかつ昆布をあまり消費しない江戸の人間にやっちゃえということで関東に回ってきました。もちろん日高昆布も浜によって大変高級なものもあります。ただ関東の人はあまり昆布を食べなかったために良い昆布ではありますが、味が多少弱いので鰹節をベースにして濃口醤油を加えたあの関東風の出汁が生まれたのです。ご理解いただけましたか。


最後に出汁用昆布の栽培方法(生産方法)について要点を書きます。

羅臼昆布→天然か養殖

利尻昆布→天然か養殖

道南真昆布→天然か促成

日高昆布→天然のみ


◯ できるだけ天然と書いてあるものを選びたいところ



まとめ

①出汁用昆布の方が、味が良く食感も良く風味も良く栄養価が高くなるので積極的に出汁をとってもらいたい。

②出汁用昆布は昆布名が書いてあることが多いため、出来る限り昆布名(羅臼昆布、利尻昆布、道南真昆布、日高昆布)などが書いてある物を購入する。

③やはり自然で生育期間が長いほど良いため、出来る限り天然(2年)と表示してあるものを買う。表示がなければ養殖(2年)か促成(1年)になるもしくは水昆布(1年)になる。

④食用昆布は好みに合わせて購入してください。昆布名が何も書いていないものは食用昆布と思ってください。ただ食用昆布でありながら比較的書いてあることが多いのは、棹前昆布や早煮昆布です。これは収穫が半年ぐらい早いという昆布です。ですから柔らかく食用として適しています。ただ早煮昆布の中には古くなった昆布を一度ボイルしてから無理やり柔らかくしてるものがあるので注意が必要です。質の良い棹前昆布があればそっちを選んでください。




その他の海藻は比較的良いものが見つかりやすい

今回はその他の海藻、わかめ、めかぶ、もずく、ひじきなどについて考えていきます。

まずわかめですが、湯通し塩蔵わかめ・乾燥したカットわかめなどさまざまなものがあります。どのタイプのものを選んでも良いかと思いますが、やはり最初に気にすべきことは産地でしょう。主に5種類になります。三陸産、鳴門産、その他府県もの産、韓国産、中国産です。わかめもいつもと同じように国産であるなら表示がしてあります。三陸産わかめとか鳴門産わかめとかです。逆に何も書いてなければ韓国産や中国産と思って間違いないでしょう。韓国産や中国産が全てダメというわけではありませんが、やはり品質のばらつきがあり質も低下する傾向があります。まずは国産であることを確認してください。次に塩分含有率です。湯通し塩蔵わかめと乾燥したカットわかめではやはり味・風味・食感ともに湯通し塩蔵わかめに軍配はあがります。ですから基本的には湯通し塩蔵わかめを購入されるかと思います。湯通し塩蔵ですから、塩の割合がカギになります。要するに、注意しないとわかめよりも塩の方が多いものがあるのです。産地塩分というものがあり、現地で品質を保持するために25%の塩をわかめに加えます。そしてさらに塩を足すことによって、日本各地に出荷できるように品質を保持できます。日本農林規格JASでは40%です。ですから最低40%の食塩が入っています。100㌘の湯通し塩蔵わかめを買うと40㌘は塩なのです。これはまだ良い方で一昔前と比べてだいぶ減ってはきていますが、50%・60%・70%とたくさんランクがあります。どんどんわかめが減っていきますので、しっかりと食塩含有率を見てください。マークが無いと40%以下というものもあるので見つけてください。ところでこの塩はどういうものが使われると思いますか。もちろん洗い流す塩ですから良いものは使いません。それではスーパーに売ってある一番安い塩とは何でしょうか。500㌘100円前後で売ってるものです。通常、精製塩・化学塩、昔でしたら専売公社の塩、またはイオン交換塩です。成分は NACLが99.9%です。つまり、他のカルシウムやマグネシウムやカリウムや亜鉛、鉄、銅、マンガンなどミネラルが全く含まれていません。したがって、血圧を上げて心臓や腎臓に負担をかける塩です。ですから、そもそも食用というよりかは工業用の方が向いています。雪を溶かす塩、盛り塩、お相撲さんが撒く塩、そして薬を作る塩です。薬というのは安定化させるために塩を使います。例えば、苛性ソーダというのは別名水酸化ナトリウムと言います。また、うま味調味料の別名はグルタミン酸ナトリウムです。このようにナトリウム、塩を使い薬品を作ります。それから今回のわかめのような増量の塩です。この塩は100㌘が38円前後という大変安い塩です。
ですから、わかめにいくら入れても数円とか数十円ぐらいです。したがって、しっかりと塩分含有量が少ないもの(40%程度)を見つけましょう。


おまけ

それから、めかぶともずく(糸もずくも太もずくも)はわかめと同様で産地(最低限国産であること)が書いてあるものをしっかりと探してください。そしてめかぶももずくも単体を買い、付いているタレはなるべく使わないことです。おまけのタレにお金をかけられないため、品質が良くないものが多いからです。ただ、わかめもめかぶもずくも養殖がメインだが、天然に近い半人工なためそこまで問題はない。

ひじきは芽ひじきと長ひじきと2種類ありますが、一般的には長ひじきの方が高価ですよね。どちらを選んでも良いかと思いますが、同じくまずは産地がとても重要です。なぜならば国産は天然、海外(韓国・中国)は養殖だからです。

以上のように海苔以外の海藻は比較的良いものが見つかりやすいのでしっかりと探して購入してください。