肉・卵・乳製品の質の良いものをスーパーで買うことは非常に難しい
引き続き主菜の選び方についてです。前回は魚について書きましたが、今回は肉・卵・乳製品についてです。以前書きましたが、魚は比較的簡単ですが肉・卵・乳製品はかなり難しいです。ですから結論を先に言うと、近くの自然食品店に行くか信頼できる通販で購入して頂くのが確実です。また、ジビエ(野生の鳥獣)を選ぶのも良いでしょう。例えば、鹿・イノシシ・真鴨などです。 そして、乳製品は体に合わない子どもが非常に多いので避けること。体に問題なければ、嗜好品として週に1回や月に2~3回ぐらいは食べて良い。乳製品については別の機会にとりあげる。それではまずは肉です。前提としてよく肉の善し悪しの議論がされている。長生きしたければ肉は食べるなとか肉を食べる人は長生きするとかです。どちらも論理的な主張がありそれぞれ納得できます。良いかもしれないし悪いかもしれない。ただこのような対立で見落としてしまうことが、食べものの質である。つまり肉の質についてはほとんど触れていないのである。人によって個人差や体質はあるが、概して肉の質が良ければ食べていただいても何ら問題ない。肉食動物である野生の虎やライオンは肉しか食べないではないか。野菜を食べないと身体を壊すとあれだけ言われてるのに、トラやライオンがサラダを食べているところを見たことがない。栄養学で言うと超偏食なのだ。それでいて癌や糖尿病などの生活習慣病はまず聞かない。ということで肉が良いとか悪いとかの話は関係なくなってくる。
繰り返しますが、最も重要なことは自然で元気な動物(鶏・豚・牛・魚など)を食べるから体も元気になるということだ。逆に不自然で弱っている動物(鶏・豚・牛・魚など)を食べるから体も不調や病気になるということだ。食品や栄養の勉強以前に大切なことである。もちろん動物以外にも植物(穀物・野菜など)他の食材にも当てはまる。常に意識してほしい。
⇩⇩⇩ですから、質はしっかりと選ばなくてならない。肉(卵・乳製品)の質というのは以下の三つの質で決まる。
品種
環境
飼料
どのような品種かで、またどのような環境で育ったかで、そしてどのような餌を食べたかで肉(卵・乳製品)の質は決定するのである。ただこの三つを意識してスーパーに買い物行くとあることに気づく。そう、何も書いていないという事実に。情報が全くわからないのだ。品種も育った環境も食べた餌も全くわからないのだ。皆さんは頭の中のイメージで買っている。牛だったら牧場ののびのびとした放牧を思い出すだろう。また牧草を美味しそうにむしゃむしゃ食べている絵を思い浮かべるかもしれない。そんなことないのだ。あなたが想像できないような過酷な環境で、あなたが絶句するような餌を食べているかもしれないのだ。簡単に言うと環境は密飼いというもので、狭いスペースの中でストレスを受けながら暮らしている。豚ですと、6畳の空間に12頭以上飼うこともあるのだ。鶏ですと、畳一枚に30〜50羽も詰め込みます。どうしてそんなことするでしょうか。考えればわかりますが、放し飼い(放牧)のように面積が広いとまず土地代などの費用がかかります。また豚や鶏が運動してしまいます。運動すると、脂肪が減ってしまうし肉の量も少なくなってしまいます。さらにお腹が空くので餌代がかかってしまいます。運動しないで食べてばかりいると身体が不調になりますよね。ですから餌に薬を混ぜます。そして遺伝子組み換え穀物を中心に与えます。なぜかというと、安い上に表示しなくてもいいからです。
古いデータになるが、現代畜産の実態として以下の数字を見てもらいたい。
屠畜検査頭数と処分件数 平成21年度出典 東京都福祉保健局
牛 検査頭数 90746
処分件数 67812(一部廃棄 67778)
豚 検査頭数 184102
処分件数 124105(一部廃棄 123885)
見ての通り、牛と豚の屠畜検査頭数と処分件数の関係である。実際の出荷される前の検査で、牛ですと実に74.7%は処分対象になるのである。豚で67.4%である。要するに3頭に2頭以上は、病気になったりと何かしら問題があるのだ。しかもそのうちほとんどは一部廃棄だけしてまた再利用するのだ。これが肉の実態である。
どのような環境でどのような飼料を食べてきたものかわかるものを購入しよう
ですからまずは、環境と飼料を確認しよう。それで良ければ70点で合格だ。品種まで行きたいところだが、現状はかなり難しい。見るべきポイントは次の通りだ。
★環境 自然放牧(放し飼いなど)
★飼料 遺伝子組み換え穀物入りか 薬(成長促進剤・抗生物質・ワクチンなど)入りか (できれば牛なら牧草が主体かまで見る)
注意すべき点は悪いことは表示しないということだ。逆に良いことはアピールしたいということだ。もし自然放牧(放し飼い)で遺伝子組み換え穀物や薬(成長促進剤・抗生物質・ワクチン)を使用せず、手間・労力・時間・コストをかけてこだわっていたら必ず書くはずです。ということは裏を返せば、家畜の環境や飼料について何も説明がなかったら違うということです。
すなわち、密飼いで遺伝子組み換え穀物入りの餌を食べて成長促進剤や抗生物質などの薬を投与しているものの可能性が高いのです。だから一般のスーパーには何も書いていないのです。書けないからです。そういった大事な情報は書かないで、宣伝方法の研究ばかりされているのが現状だ。食品の中身ではなくてイメージやキャッチフレーズで購入してしまうということだ。例えば、肉のラベルに安心・安全・こだわり・厳選などなど。普通に考えて何が?とは感じないだろうか。どれも抽象的すぎて具体性も基準も何もない。それから顔が見えるシリーズも同じだ。卵でも野菜でも生産者の顔が見えること、すなわち食材・食品の中身が安心安全であるということとは関係がない。何か問題があった時に責任が問われるくらいである。食材・食品の安心・安全というのは、誰が・どこで・どのような・どのようにというのがわかるということである。反対に食材・食品の不安・危険というのは、誰が・どこで・どのような・どのようにというのがわからないということである。
したがって家畜の場合は、特にどこで、どのような飼料を食べ、どのような環境で育ったかが重要なのだ。そのような視点から選ぶようにすることが大切である。しかしながら冒頭に書いたように、魚は簡単であり肉・卵・乳製品は難しい。それは魚は天然が存在するに対して、肉・卵・乳製品は天然がほとんど存在しないからだ。野生の牛や野生の豚がスーパーの店頭に並ぶことはまずない。ということはほぼ100%家畜なのだ。家畜というのは人間が手を加えているということだ。現代畜産の流れとして、とにかく大量生産・大量消費なのだ。その時重視されるのが安い価格である。したがって、ひたすら価格を下げるために無理に飼育しているのが現状だ。ですから、環境やら飼料などの説明がしっかりとされている肉・卵・乳製品を選びたい。
しかし現状としてほとんどないので、近くの自然食品店に行くか信頼できる通販で購入して頂くのが確実です。インターネットで「肉 放牧(放し飼い) 抗生物質不使用 遺伝子組み換え飼料不使用」などのキーワードでいろいろ調べる。
◯ 餌 薬無しと書かれている
◯ 餌 薬不使用、そして非遺伝子組換飼料と書かれている
◯ 環境+餌 放牧、牧草と書かれている
もしくは、全国的なスーパーの中でも比較的イオンが良いものを扱っている。グリーンアイシリーズの鶏肉(純輝鶏)・豚肉(ナチュラルポーク)・牛肉(タスマニアビーフ)がそうである。
家畜のなかでは、卵(鶏肉)はまだ良いものが見つかりやすい
今回は、卵(鶏肉)についての補足です。
基本的に考え方は前回の肉と同じで、しっかりと選ばなくてはいけません。家畜ということは人が手を加えているのです。なぜならば天然はないからです。ただ鶏は比較的安価で家畜のなかでは質の良いものが手に入ります。より自然で安心安全なものを選ぶために見るべきポイントは3つあります。
品種
環境
飼料
現在売られている卵や鶏肉が、どういう品種でどういう環境で育ってどのような餌を食べているのかという情報が全くわかりません。ただ探せば見つかるので、是非自分が信頼できるものを見つけてください。
実際は、このような自然な放し飼い(平飼い)をイメージしてしまうがほとんどが違う
実際は自然から遠い密飼いが行われている
例えば、スーパーに行って卵を買うとしましょう。そこに書いてあるのが国産鶏でした。じゃあその卵はどういう意味でしょうか。
国産鶏の意味はわかりますか。日本の鶏??いいえ違います。正解は輸入鶏という意味です。
??かと思います。まあ正式には日本で育った鶏なのです。簡単に言うと親やその親、つまり血統が日本ではないということです。要するに雑種なのです。それでは昔から日本にいた日本で育った鶏の卵が欲しければ、純国産鶏ということになります。純国産鶏が本来日本人に最も合った卵なのです。しかしながら、なかなかスーパーの店頭で見る機会はないですよね。それもそのはず純国産鳥は卵全体の10%にも満たないからです。品種でいうと、もみじ・さくら・岡崎おうはん・あずさなどしかありません。純国産鳥の特徴は味も栄養もありますが、菌の違いにあります。ところで世界の人々が日本人の卵に関するある習慣に驚くことは知っていますか。とてもびっくりします。それは生卵を食べるという習慣です。世界の常識として一部の国や地域を除いて生卵は食べません。なぜならば危険だからです。なぜ危険なのでしょうか。先ほど書いたように菌の問題です。菌とは主にサルモネラ菌です。
それではなぜ日本人は生卵を食べるでしょうか。実は日本の鶏、純国産鶏種には概してサルモネラ菌がいません。したがって、日本人は生卵を食べる習慣が昔からあるのです。しかしながら、今売られている卵の90%以上は国産鶏であり雑種です。ということは本来は生で食べたら危ないのです。ただ現在はさまざまな処理がされているために、一応は安全といわれています。しかしながら年間8000人近くが感染しています。したがって見つかれば、純国産鶏を選んでください。
それでは肉鶏の場合は、どのような品種があるのでしょうか。ここで鶏の一生を考えてみましょう。まず卵が孵り、ひよこがどんどん成長します。採卵鶏と肉鶏は違うのですが、肉鶏の場合は生後どれくらいたったら出荷されると思いますか。半年ですか。1年ですか。いえいえ違います。もっと早いですよ。平均すると2ヶ月も行きません。今現在45日〜55日ぐらいです。要するに1ヶ月半以上経つともう立派な肉としてスーパーに並ぶのです。昔は60日以上だったのですが、今は品種改良や薬などで早く成長するのです。ただ某有名なファストフード店は、品種改良により30日弱の鶏を使用しているそうです。このような鶏をブロイラー(正式には品種ではありませんが)と言います。今のブロイラーはとても大きく太っています。もちろん、ホルモン剤や成長促進剤などの影響も関係あります。昔と比べたら一目瞭然です。従って大量生産用のブロイラーを避けたければ表示を見てください。国産鶏と書いてあったらそう思ってください。そして地鶏(銘柄鶏ではなくて)というのを見つけてください。地鶏は、品種や環境の規定がしっかりあります。まず在来種の血統が50%以上入っていない品種では地鶏とは名乗れません。また環境ですが、28日齢以降は平飼いで1平方メートル当たり10羽以下と決まっています。そして先ほど書いた飼育期間ですが、やはり肉というのは幼すぎると肉の味がしっかりとしないのです。肉が美味しくなるのは70日以上といわれていますが、地鶏は80日以上なのです。このように大変厳しいルールがあるのです。したがって地元の肉屋さんで是非、地鶏を見つけてみてください。名古屋コーチンや比内地鶏でなくても今は多く出回ってますよ。調べてみてください。
それでは卵の場合ですと、卵を産む採卵鶏は生後どれぐらいだったら卵を産めるのでしょうか。120日くらいです。そして10ヶ月頃になると、卵の質が悪くなったり産卵率が低下して卵を産まなくなります。手間・労力・時間・コストがかかります。困りますよね。かといって絞めて一から育てるのも大変です。そこで行われるのが強制換羽です。字の通りで強制的に羽を替えるのです。さてどうやって羽を変えるのでしょうか。絶食させるのです。しかも約10日間も。そのうち3日間は水も与えないこともあります。そうすると鶏の産卵も止まり、だんだん体が弱ってきて衰えてきます。さらに自らの羽がほとんど抜け落ちます。しかしその後、徐々に餌を与えていくとまた新しい羽が生え始めるのです。羽も生まれ変わっていますが、細胞も生まれ変わっています。その結果鶏も若返り、なんとまた再び若い時のように卵をたくさん産むようになるのです。一種の断食ですね。ご存知のように断食をすると、人間でも身体の調子が良くなる方が多いのです。なぜならば、消化吸収に使われていた莫大なエネルギーが身体の修復や排泄に使えるからです。その結果、身体の不調が改善したり若返ったりとさまざまな効果があります。ただ、鶏にとって人間よりもはるかにものすごいストレスがかかります。その結果、餓死する鶏も数多くいますし、さまざまな菌やウイルスにやられやすくなります。なかでも多いのはサルモネラ菌の繁殖です。強制換羽をした鶏の卵は、サルモネラ菌が入りやすいのです。やはり健康な鶏が産んだ健康の卵を食べたいですよね。ただある程度簡単に見分けることができるのが救いです。卵の大きさです。基本的には雌鶏の歳が大きくなるほど、卵が大きくなっていきます。ということで、卵の大きさで見分けることができます。参考までに以下のとおりです。
S・M 強制換羽なし
L 強制換羽の可能性あり
LL 強制換羽の可能性高い 下手をすれば2回してるところもある
やはり S か M ぐらいにするのが良いかと思います。L もしくは LL を購入する場合は信頼できる農家さんから買ってください。ところで、たまにあるのが卵を割ってみると黄身が二つ入ってるということです。これはどういうことでしょうか。実は非常に若い鶏を卵なのです。産卵リズムが安定していない産卵初期(最初の1〜2ヶ月間)なので、もしそうだとしたらラッキーです。いろいろ書いてきましたが、まずは安全な飼育で安全な飼料を与えている農家さんを探すのが重要です。
✕ 国産鶏はブロイラーの可能性が高い
◯ 地鶏(肉鶏)なら一定の質以上なので安心できる ただ銘柄鶏と混同しないように
まとめ
・卵は純国産鶏の品種があれば一番良い 卵の大きさはSかMにする
・肉鶏は地鶏を選べば一定のレベル以上だから安心 インターネットで地鶏と検索して確認する 銘柄鶏やブランド鶏とは区別すること
・環境は放し飼いもしくは平飼い、飼料は遺伝子組み換え穀物や抗生物質、成長促進剤などの薬を不使用と書いてあるものを選ぶ
・現状ほとんど販売していないので、自然食品店か通販を利用する インターネットで「卵 放し飼い(平飼い) 抗生物質不使用 遺伝子組み換え飼料不使用」などのキーワードでいろいろ調べる

